財産がたくさんある方は、相続税を収めなければいけません。

相続税の計算は税理士の専門であり、控除額なども複雑な部分があるため、弁護士以外に税理士にも依頼する必要があります。

とはいえ、相続税が発生する方はさほど多くありませんし、基本的な枠組みくらいはご理解いただいたほうがいいと思います。

相続税の基礎控除

相続税の課税にあたっては、どんな被相続人にも当てはまる基礎控除があります。

これが意外と大きく、3000万円+相続人の人数✕600万円です。

つまり、相続人が1人でも3600万円、相続人が3人(例えば、妻と子ども2人)の場合は4800万円が控除になるのです。

これでも大幅に減額された方で、平成26年末までは、3000万円✕相続人の人数✕1000万円でした。

最低でも6000万円が控除になっていたのです。

全ての人に適用される控除だけでこの金額ですから、相続税を支払わなければいけない人というのはさほど多くはありません。

相続税の計算方法

相続税の総額の計算、そして各相続人の支払金額は、ちょっと不思議な計算方法をします。

①課税総額の計算
まず、課税される相続財産の総額を計算します。

大まかにいえば、まず、預貯金、不動産などの課税対象となる財産の金額を合計します。

さらに、税の計算についてのみ相続財産とみなされるみなし相続財産(生命保険や死亡退職金)、3年以内の生前贈与や相続時精算課税の対象となった贈与など、相続時に精算することが前提で生前に贈与された財産の金額を加えます。

これが課税総額になります。

②基礎控除分を差し引く
上で説明した基礎控除分を差し引き、課税対象額を確定します。

③課税対象額を法定相続分で割り付け、相続税額を確定します。
課税対象額を法定相続分で各相続人に割り付け、相続税額を確定します。

例えば、相続人が妻と子ども2人の場合、それぞれに2分の1,4分の1,4分の1相続すると仮定して、税額を計算します。税率は、法定相続人ごとに累進課税で定められているので、妻と子とでは計算の仕方が違ってきます。

④各相続税額を合計し、実際の取得額で再度割り付ける。

⑤各立場に応じた修正を適用し、実際の税額を確定する。

割り付けられた計算額に、個々の事情に応じた修正をします。

この修正には、兄弟姉妹や甥姪などに対する増額と、配偶者や未成年者に対する控除による減額があります。
 
いかがでしょうか。計算額があっちに行ったりこっちに戻ってきたりして、基本的な流れを追うだけでも大変なのがおわかりいただけたかと思います。

実際に計算しようと思えば非常に複雑ですので、相続税が発生する場合には、税理士に依頼する必要があります。

相続税の申告期限

相続税の申告は、相続開始(多くの場合は被相続人の死亡日)の翌日から10ヶ月以内にしなければならないとされています。

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